「リボーン〜命のオーディション〜」を観に行った

12日に行きました。申込んだ時はてっきりストレートプレイの舞台だと思ってたのですが、ミュージカルだと後から気付いて、俄然楽しみになってきてました。しかも高橋が抜けて間もない新生モーニング娘。からメンバーが多数出演し、更に9期は初の舞台という事で、どんな風になるのかワクワクしてましたよ。
そしてタイトルが「リボーン」、サブタイトルが「命のオーディション」。舞台チラシを見てみると、結ばれたリボンに出演者全員が囲われた写真、田中の手には手塚治のマンガ。そしてあの時と同じく「協力：手塚プロダクション」の文字…ここまでされて何も思うなと言う方が無理ですな。そうです、5年前に上演された「リボンの騎士 ザ・ミュージカル」。夏の暑い中、今はなき新宿コマ劇場によく通ったものです。武道館のとこにも書きましたが、この作品は自分のヲタ活動にとってエポックメーキング的存在でしたし、それは娘。本人達にとっても同じだったと思います。なので、こんなあからさまな釣りみたいなものでも、気にならざるを得ないんです。出演者の中に新垣・田中以外にもリボンの騎士出演者の三好がいるというのも、なかなかニクイです。まあでも、神様から命を与えられるという点では同じですが、話は全く別物です。そらそうだ。でも生演奏な所は同じ。
話は面白かったですよ、全員にそれぞれ見せ場ありますしね。変な疑問とかも残ったりもしないし、スッキリ楽しめました。でも歌はもっとソロとかでもいっぱいやるもんだと思ってました。新垣・田中以外はソロでの歌の見せ場が少なかったのは残念でしたね。
オーディションは勝ち抜け式で、抜けたメンバーはハロコンの応援席みたいに舞台の上で座ってるんですが、もちろん早く抜けていくとその後台詞は無いわけで、負け残りしてる時間が長いメンバーがよりメインという事になります。エッグ(工藤含む)・三好・アップアップが抜けて、娘。だけになった後は、9期では唯一鞘師が残るあたりも序列があからさまでリアルです。
メンバーの演技についてですが、まずは新垣里沙。不器用で男勝り、最後には母としての優しさまでも表現するという難しい役なのですが、都度都度、客席を一瞬にして惹き付ける力を放ってました。最早当たり前みたいになってますが、これって相当凄い事ですよ。この人が軸にいたことで、他で色々遊びつつも舞台がぶれませんでした。流石の一言。あと普段はそこまで感じてなかったのですが、今回顔の小ささが際立って見えました。そんなに近くで見たわけでもないのに。
そして成長を大きく感じたのが田中れいな。本人も「素に近い感じで楽」と話してはいまして、演じ易いというのもあるのでしょうが、役にドンピシャ嵌ってました。勿論「素で出る」のと「素に近い感じで演じる」というのは全く違う訳で、キーを握るキャラとして謎を残しつつ、最後まで見事に物語を引っ張ってました。本来はこれを光井がやる予定だったんですよね。あの無邪気な感じは、シンデレラの妖精役にも通じるし、光井がやっても結構嵌ったんじゃないかと思います。舞台での光井のソロって聞いたこと無いので、成長のチャンスを逃したのは可哀想ですね。
9期は若干固かった。譜久村・生田・鈴木の三大美女は、タイムボカンシリーズの三悪みたいな、憎めないお馬鹿悪役トリオで主に笑い担当だったのですが、思い切りに欠けました。最初の舞台なのでしょうがないですが、おいしい役だったので、もっと思いっきりやればその分笑いも起こったと思います。鞘師が演じたシェイクスピアは、冷静で世の中を斜に見てるような役だったので、かなり難しかったと思います。ただ最後まで集中を切らさなかったのは立派でした。最初にこれだけ難しい役に挑戦した事は、今後の大きな成長の材料になる事でしょう。
やや固かった9期に代わって舞台に華やかさをもたらしていたのはエッグ達でした。小間使いとして終始舞台を飛び回っていたコウノトリ：高木紗友希、身体は小さいのに難しい事を通る低い声で淡々と喋るダ・ヴィンチ：工藤遥、そしてアイドルオーラが只管漲っていたチンギス・カン：宮本佳林、それぞれいい味出してました。さすがにエッグから選抜されるだけの事はあります。知らない人が見たら、9期の方が研修生だと思ってしまうかもしれない。
そして三好絵梨香、仙石みなみ、森咲樹、ここらはさすがに場数踏んでるだけあって安心して見ていられます。経験を無駄にしてないのは偉い事です。最後に兵藤ゆきですが、これは言わずもがな。圧倒的な声の迫力と共に、舞台を上手く舵取りしてバランスとってました。
話は笑い多目な序盤から徐々にシリアスになっていき、最終的には感動の方向に持っていくわけですが、最後の最後にエライ爆弾が控えてました。なんと新垣がリボンの騎士のサファイアになって現われるんです。話の展開上、サファイアになって出てくる必要は必ずしも無いのですが、リボンの騎士を知ってる人間にとってはこの上ないエンディングとなりました。ここで繋がるかと。例えて言うなら、ドラクエを1からやってる人が、3でアレフガルドに到達した時ぐらいの感動ですよ。況して、高橋が卒業してまだちょっとしか経ってないわけですからね。ちょっと思ってもみないサプライズでした。
この回はアフタートークショーがあり、丁度森咲樹の誕生日当日だったので、まずはそのお祝いから。そして21時過ぎるのでチビッ子は帰って、新垣、三好、仙石、18歳なりたての森、そして当初出る予定無かった田中が残り、リボーンに因んで「もし生まれ変わったら」というお題でトーク。三好が工藤と答え、彼女はしっかりしてて凄いという話になり、新垣が色々暴露してました。年上の生田に向かって「生田さん、ここ変わりましたんで、よろしくお願いします」と例の低い声で言ってたとか、楽屋で後からおっさんみたいな声がしたと思ったら工藤がうがいしてたとか、すでにネタが色々出てきてるようです。この前のハロプロ！TIMEの10期とのやり取りでも場末のスナックのママみたいな話し方で面白かったですし、キャラ的にも道重待望のツッコミ属性っぽいので、今後どういう活躍をするか楽しみであります。